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好きって言わない!

第9章 水と油と翔と潤と猫。





N「・・・・・、」




離した手を再び取られて、ドアに押さえつけられた。
すぐに近付いてきたまーくんの顔で目の前がいっぱいになる。




N「ん・・・・・、」




抵抗なんてしない。
まーくんに合わせて、俺も顔を傾けた。



ちゅ、ちゅ、とキスの音が部屋に響いている。
その音は思考回路を全てストップさせるんじゃないかと思うくらい、さらにキスに夢中にさせた。




A「にのちゃん・・・」




N「ん、」




A「なんか・・・ちょっとヤバイ。笑」



N「んぅ?」




唇をつけたまま、まーくんが苦笑いをしている。




かっこいい・・・




てか、ヤバイって何が??




すっと体が離れてしまって、すごく寂しい。
もっともっとキスしたかったのに・・・




N「・・・まーくん、何で前屈みで歩いてんの??」



A「・・・うるさい!!ホラ、さっさと行くよ!!
翔ちゃん待ってるから!!
走んなきゃ待ち合わせに間に合わないよ!!」



N「うるさいってなんだよ!!
てかお前がキスするから遅くなったんじゃねーか!!」



A「だからうるさいっての!!
行くぞ!!」




強引に手を繋がれて引っ張られる。
痛いな、もう・・・!




N「・・・・・。」




少し前を歩くまーくんの背中を見て、胸が痛いくらいキュンとした。




普段ヘラヘラしてるくせに・・・




キスの時の表情はやけに色っぽいなんてズルいだろ。




・・・まーくん、




彼女とはどうなんだ?
手はもう繋いだ?




キスは・・・いつするの?




N「・・・・・。」




怖くて聞けない。




繋がれたまーくんの男らしい大きな手。
これが、俺の物になれば良いのに。




本気でそう思ってしまった。








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