好きって言わない!
第9章 水と油と翔と潤と猫。
N「翔・・・いい加減にしろよ。
松本も挑発に乗るなよ。」
これじゃどっちがヤンキーか分かんねぇ。
昨日から、あきらかに翔のが悪い。
M「・・・もう帰れ。
俺はお前が嫌いだ。」
大きなため息を吐いて、翔の上からどこうとした松本の胸ぐらを、今度は翔が掴んだ。
下から引っ張られてバランスを崩した松本が、翔の上に倒れこむ。
S「・・・協力しろ。」
M「・・・・・。」
至近距離で睨み合う2人。
S「お前、バカらしいな。
実力テストの結果、散々だったじゃねーか。」
まーくんにも耳が痛い話なんだろう、両手でパタッと耳を塞いだ。
いや今お前関係無いから。
S「俺が教えてやるよ。
来月の中間テストで、見違えるような成績に上げてやる。」
M「なんで、」
S「それがお守解消の条件なんだよ。
1ヶ月で理事長の機嫌が取れるなら俺はやるよ。
お前だっていつまでも俺の顔なんか見たくないだろ。
黙って言われた通りに勉強しろ。」
グイッと松本を引き寄せ、唇が触れそうな距離でさらに続ける。
S「・・・まわりにあれこれ言われたくねぇなら、言われないような奴になれよ。
拗ねてたって仕方ねぇんだよ。
大人になれ。」
M「・・・・・。」
A「翔ちゃん・・・?」
どういう事だ??
翔は何か知ってるんだろうか。
言い返す事もしない松本が、パタリとそのまま翔に倒れこんだ。
S「おい!重いだろ!どけ!!」
その時。
ドアの隙間からスルリと猫が入ってきた。
にゃーお。
翔を押し潰したまま、ハッと顔をあげた松本。
M「ミーコ!!」
N「・・・ミーコ??」