好きって言わない!
第9章 水と油と翔と潤と猫。
松本の飼い猫は、なんとなくスマートな美人猫だと思っていた。
黒猫とかさ。
そんなイメージじゃん松本って。
ミーコと呼ばれた猫は、真っ直ぐに松本と翔の方へ歩いていく。
効果音をつけるとしたら、
のっし、のっし
って感じかな。
・・・太ってんなー。
かなり肉付きの良い体に、垂れた目と団子っ鼻。
お世辞にも可愛いとは言えない。
あと、ミーコって名前が似合わない。
どう見てもブー子だろ。
フンフン、と翔のニオイを嗅いでスリッと体を擦り付ける。
マタタビに反応してるんだ。
S「ひっ・・・・・!!」
N「ん?」
松本の下敷きになってる翔が硬直している。
ご機嫌な様子で翔に擦り寄るミーコとは反対に、どんどん引きつっていく顔。
M「すげぇ・・・ミーコがこんな近くにいる。」
A「いつもは寄ってこないの?」
M「ほとんどどっかに隠れてる。
ケガの様子も確認出来ないから困ってたんだよ・・・
お、だいぶ傷口綺麗になったな。
良かったなぁ、ミーコ♡」
A「あ、手のとこケガしてたんだね。
松潤に手当してもらって良かったねー。
くふふ♡超かわいい♡
お腹ぶよぶよ。笑」
ついに翔の上に乗っかってゴロゴロと寝転ぶミーコを、まーくんと松本がよしよしと撫でている。
もはや翔の扱いは床だ。
それにしても・・・
N「なぁ・・・翔、大丈夫か?」
息止めてんのかな。
顔色悪くなってきてるけど。