好きって言わない!
第11章 翔と潤の場合。
S side
S「寝言いってたぞ。」
M「え?!」
S「ウソだよ。」
M「・・・・・ムカつく!!」
真っ赤になって怒鳴る松本がなんだか面白い。
さっきまであんな無防備に寝てたくせに・・・
起きたらやっぱり反抗期のヤンキーくんか。
M「さっさと帰れよ、もうお前なんかに用はない。」
ツンとした態度でテーブルの紅茶を片付け出した松本。
俯いていると、やっぱり長い睫毛が良く分かる。
S「急につれないな・・・さっきまで俺の膝でメロメロになって甘えてたのに。」
M「・・・それはミーコの話だろ!!」
S「そうだっけ。」
ガチャガチャと音を立てて食器をトレイに乗せている松本。
顔も耳も真っ赤だ。
俺の膝で寝てしまったのがだいぶ恥ずかしいんだろうな。
色々聞きたい事もあるし勉強についても話したいところだけど・・・
結構遅くなってしまったし、またの機会にするか・・・。
S「じゃあ、帰るよ。」
M「おう、帰れ帰れ。」
こちらを見ようともせずに、ぶっきらぼうに答える松本に苦笑いしながら立ち上がろうとした時だった。
S「あたたたたたたた!!」
M「なんだ?!」
クソ・・・
猫とヤンキーを膝に乗せてたから・・・
S「足、痺れたぁ〜・・・」
情けない声をあげて、その場に倒れ込んでしまった。