好きって言わない!
第14章 エスカレート。
N「まーくん?」
着替え持ってきてくれたのかな。
A「にーのーちゃん♡」
瑞分ご機嫌な声だ。
風呂場のドアにまーくんのシルエットがうつる。
あれ、まだ服着てねーの?
A「お背中流しましょーか。」
N「はぁ?!」
ガチャッとドアを半分だけ開けて、まーくんが顔を覗かせる。
N「覗くなよ!!」
A「だから俺が洗ってやるって♡
あ、もう精子は取れた??」
風呂場に入ってきたまーくんが、俺の髪を撫でた。
N「ちょ、出てけよ狭い!!」
お互い裸で、こんなに近くに・・・
恥ずかしくて耐えられない!!
まーくんの方見れない!!
A「なんでだよ、良いじゃん。
昔は良く一緒に入ってたし。」
N「小学生の頃だろ!」
A「ほら、キャンキャン言ってないでコッチ向いて。
頭洗ったげる♡」
N「わ、」
背中を向けていた俺の腕を掴んで、引き寄せられる。
よろけそうになった俺は、まーくんの胸に飛び込むような形でしがみついてしまった。
N「・・・。」
ヤバイ・・・
こんな状態で密着したら、俺・・・
A「細いなぁにのちゃん・・・」
俺の肩を掴んでいたまーくんの手が、そっと背中にまわった。
N「え・・・」
きゅっと、まーくんの腕に優しく包み込まれる。
A「可愛いから抱きしめちゃった♡」
俺をぎゅっとしたまま、耳元でまーくんが囁く。
どうしよう、ヤバイよ。
なんか泣きそう・・・
まーくん、俺・・・
さっき、抱きしめてほしいって思ってたんだよ。
でも、叶わないって思ってたんだ。
叶っちゃった・・・
A「嫌だった?」
無反応な俺の顔を、少し心配そうに覗く。
ふるふると首を振って、思い切って俺もまーくんを抱きしめた。