テキストサイズ

好きって言わない!

第17章 Hey bad boy。





M side




M「・・・・・。」




何で、言う事を聞いてしまうんだろう。
腹が立つのに、この大きな瞳で見据えられると文句が言えなくなる。
ホントに悪魔なんじゃねぇだろな・・・




櫻井の隣、少し間をあけて座った。
革張りのソファがギシ、と鳴る。




しばらくお互い無言で紅茶を飲んで、ぼんやり過ごした。
暖かい紅茶が体に染み込んでいく。
でも、そろそろアイスティーでも良いな・・・
フルーティな香りのものが良い。




そういえば、櫻井はストレートで飲むんだな。
こないだも砂糖を入れていなかった。
俺と同じだ。




S「笑ってる。」




M「ん?」




いつの間にか、櫻井が俺の方へ体を向けていた。




S「何で笑ってたんだ?」




M「っ・・・、」




お前こそ、何でそんな優しい表情で笑ってるんだよ?!




M「別に・・・!!」




俺、ホントに笑ってたのかな。
ストレートで飲むのが一緒だって、そう考えてただけなのに・・・




S「紅茶は誰に教わったんだ?」




M「何で教えなきゃなんねーんだよ。」




S「普通の世間話だろ。」




・・・確かに、こんな意識してツンケンするのもガキっぽいか。
普通にしよう普通に。




M「・・・母さんだよ。」




S「そうか。今は何処に?」




M「いない。」




母さんは死んだ。
俺をひとりにして。





S「・・・そうか。」




そういえば、こいつは俺の出自が気になっているようだった。
こないだだって好き勝手推測をしていたが・・・





ストーリーメニュー

TOPTOPへ