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好きって言わない!

第17章 Hey bad boy。





M side




M「知りたいなら教えてやるよ?」





別に隠すつもりはない。




黙ったまま俺を見つめる櫻井。
話せという事なんだろう。





M「お前の言うとおり、母さんは愛人だった。」




隠すつもりはないけど、やっぱりこんな話をするのは少し怖い。
愛人なんて背徳者だ。
でも、母さんは美しくて優しくて素敵な人だったんだよ。





M「今まで一度も会った事は無かったけど・・・
母さんが死んで1人になった可哀想な俺に理事長が情けをかけたんだろ。
向こうの親戚一同は猛反対して大変な事になってたけどな・・・。」




女遊びが激しい理事長に愛人がいた事には誰も驚かなかったらしいが、愛人の子を引き取るとなれば話は別だ。



でも、俺は養子縁組を断固として拒否した。
母の性を捨てるなんて考えられなかったんだ。




養子縁組をしない事で、まわりの反対も緩んだ。
実の子であっても、愛人との間に産まれた俺は養子縁組をしなければ財産の相続権は無いからだ。




それでも、いくらか金を渡して放っぽり出せという意見が多い中、理事長は自分の学園に入学させると勝手に決め、俺に好きにして良いと言った。




正直何考えてんだか分からなくて怖かった。
いっそ親戚たちが言うように、まとまった金を貰ってどこか遠くに行きたかったのに・・・




理事長にそう言っても聞いてくれなかった。
大学までは面倒をみてやると。




素行の悪さをアピールしても、テストで最低な点数を取っても、お咎めなし。
俺は虚しくなった。




そのうち、衣食住に困らないなら良いかと無理やり納得した。
こんな良い学校に通えて、自由気ままな1人暮らし。
ラッキーじゃん。




だって、母さんとの2人暮らしじゃ大学に進学する余裕なんてきっと無かった。




そりゃあ、どっちが幸せかって言ったら、母さんとずっと暮らして行けた方がよっぽど幸せだったけど。




でも、仕方ないじゃん。
死んじゃったんだ。




無理やりにでも、前を向かなければいけないんだ。




お前だって俺に言っただろ。
拗ねてたってしょうがねぇって。






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