好きって言わない!
第17章 Hey bad boy。
M side
M「・・・だから、もうテストでバカな事もするつもりねぇし。
派手に暴れたりもしねぇよ。
お前が俺を見張る必要なんて無い。」
S「・・・・・。」
ずっと黙って聞いていた櫻井が、ソファの背凭れにドサリと体を預けて目を瞑る。
M「聞いてんのか?
理事長のご機嫌取りで俺に構う必要は無いんだよ。
お前が何もしなくても、中間テストではちゃんと成績を取る。」
S「・・・お前って、母親似?」
M「は?」
S「どうなんだよ。」
背凭れに体を預けたまま、上目遣いで俺をジッと見る櫻井。
なんなんだよ急に・・・
M「・・・ああ、似てるって良く言われてたけど。」
S「そうかぁ、会いたかったなぁ、お前の母親・・・。」
M「・・・・・。」
S「美人だったんだろうなぁ。」
M「・・・・・。」
S「写真無いの?」
こいつは、今までの俺の話を聞いてそんな事しか思えないのか?!
確かに母さんは美人だったが、話の本筋はそこじゃねぇだろ!!
M「写真なんか見せるか!!
人の母親をエロい対象で考えんな変態野郎!!」
S「いてぇ!!」
櫻井の胸ぐらを掴んで思い切り頭突きをしてやった。
涙目で俺を睨むと、口を尖らせる。
S「美人に興味はあるがエロい事考えてたわけじゃねーよ!」
M「ウソつけ!!」
S「だって、さっきの話で重要なのは、お前の母親に理事長が惚れ込んでたって事だろ。
ガキまで産ませたんだから。
どんな魅力的な女性だったのか気になって当然じゃねぇか。」
でこを摩りながら、櫻井が紅茶を一口飲む。
S「大したもんだねぇ、こんなクソ生意気な反抗期の息子相手にさ。
立派だよ理事長。尊敬するよ。」
M「・・・・・。」
こいつ、やっぱり俺をバカにしてる。
別に同情して欲しかったわけじゃない。
慰めて欲しかったわけでもない。
でも、何でこんな風にバカにされなきゃいけないんだ。
ふざけるなと怒鳴ろうと顔を上げた瞬間。