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好きって言わない!

第18章 それぞれの中間テスト。




A side



M「また悪魔から・・・!!
おい、お前が出ろ!!」




A「え、ちょっと・・・!!」




スマホを放り投げられて、慌ててキャッチする。
番号だけで、名前は表示されていない。
登録していない番号らしい。



A「もしもし・・・」



恐る恐る電話に出ると、機嫌の良さそうな男の声が聞こえてきた。




『やぁハニー、勉強頑張ってるか?』




A「・・・・・翔ちゃん??」




ふざけた口調だけど、この声は翔ちゃんだ。
悪魔って・・・翔ちゃんの事?!
てかハニーって?!




どうなってるんだろう。
戸惑う俺に目を向ける事なく勉強を続ける松潤に声をかける。




A「あの・・・翔ちゃんが、
ハニーに代われって・・・」




M「ぶっ・・・!!」




吹き出した松潤が2本目のシャーペンを折った。




M「ふざけんな!!誰がハニーだ!!」




俺からスマホをふんだくって、松潤が盛大に怒鳴る。




M「・・・イヤだ!!おい聞けよ!!
来るなよ!!絶対来るなよ!!
・・・フリじゃねぇよ!!マジで来るな!!
・・・ブーコじゃねぇミーコだっ!!」




怒鳴り続ける松潤だけど、様子からして翔ちゃんにからかわれているみたいだ。




M「うるせぇ!!
来るなったら来るな!!バカ!!」




通話を切った松潤が、ぜぇぜぇと息を切らせて席に着く。




A「仲良いんじゃん。」



M「お前耳おかしいのか?!」




耳は良い方なんだけどな。
3本目のシャーペンを出した松潤は耳まで真っ赤で・・・




翔ちゃんのご機嫌な声を思い出す。
うん、やっぱり仲良いと思う。




良いなぁ、なんか賭けとかしてるみたいだし楽しそう。




やっぱりもう1回にのちゃん誘ってみようかな・・・




さっき断られてるのに、なんて誘えば良いのか悩んだ。
色々理由つけるのも何か変だしな・・・



普通に送れば良いか。
シンプルなのが1番だ。




にのちゃんに送信して、
イライラしながら勉強を続ける松潤に目を向ける。




俺も勉強頑張ろっかなぁ。
そしたらにのちゃん喜んでくれるかなぁ。




可愛く笑った顔が見たい。
どうか、良い返事が来ますように。
手を合わせて祈る俺を見て、松潤に気持ち悪いと頭をはたかれた。

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