好きって言わない!
第19章 デート。
A side
N『・・・ダメ?』
A「ダメじゃないよ!ダメじゃないけど・・・
大丈夫なの??」
N『うん。水族館が良い。』
ホントかなぁ・・・
でも、中止になるかもと思っていたデートに、せっかくにのちゃんが乗り気なんだ。
気が変わらないうちに決めちゃおう!
A「じゃあ、水族館行こっか!
用意出来たら迎えに行くねー!!」
N『ん、分かった。』
電話を切ると、急いでシャワーを浴びた。
朝ゴハンをゆっくり食べるのも時間が勿体無くて、パンを齧りながら洋服を選ぶ。
A「行ってきまーす!!」
こんな大雨の中どこに行くんだと母さんに呆れられながら家を飛び出した。
すぐ隣のにのちゃん家のインターホンを鳴らして、ドキドキしながら待つ。
玄関のドアを開けて、にのちゃんがひょこっと顔を出した。
A「にのちゃん、行くよ!!」
N「お前・・・まだ9時前だぞ!!」
A「え?」
N「電話切ってまだ15分!!
用意できてねーよ!!」
A「えーーー!!早く用意しなよ!!」
N「早過ぎんだよバカ!!」
えー・・・
だって、水族館って9時から開いてるじゃん。
早く行った方がいっぱい遊べるし、それに・・・
早く会いたかったんだもん。
むぅっと口をとがらせると、呆れた顔でにのちゃんが笑う。
N「すぐ着替えてくる。1分待って。」
玄関の中に俺を入れると、階段を駆け上って行った。
さっきの笑顔可愛かったなー。
ぴょんぴょん階段をのぼるのも可愛かった。
そんな事を考えていると、にのちゃんがまたぴょんぴょんと降りてきた。
A「・・・可愛い。」
寝癖を隠すためか、キャップを被っているにのちゃん。
大きめのピンクのパーカーに、タイトなパンツ。
この服、初めて見た。
ボーイッシュな女の子みたい・・・