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好きって言わない!

第19章 デート。




A side




N「何ボーッとしてんだよ。行こ?」




スニーカーを履いたにのちゃんが、ニコッと笑った。
その笑顔にまたキュンとする。




最近のにのちゃんは、俺の知らない顔を良くする・・・
こんな風にふんわり笑ってたっけ。
こんなに瞳は潤んでたっけ。




にのちゃんってこんなに甘い良い香りがしたっけ・・・




N「まーくん?」




狭い玄関、近い距離で不思議そうに俺を見上げるにのちゃん。




ダメだ!!
やっぱ室内にいたらダメ!!
チュッてしてギュッてしてガオー!!になっちゃう!!




A「よし、行こう!!」




玄関を出ると、相変わらずの雨。
傘を広げた俺の腕に、にのちゃんがくっついてきた。




A「ん?」




俺の腕をきゅっと握って、ふふっと笑う。
か・・・可愛い!!




N「2本も傘あったら向こうで邪魔じゃん?」




濡れないように、ピッタリ寄り添ってくるにのちゃんにドキドキが止まらない。
要は傘を持つのが面倒って事なんだろうけど・・・
ダメだ超可愛いよこの子!!




A「・・・もっとコッチ。」




ちょっとカッコつけて、にのちゃんの肩を抱いて引き寄せた。
ウルウルの瞳が俺をジッと見る。
キャップを被って前髪が長めになっているにのちゃんは、いつもより幼く見えた。




ああ、駅につかなければ良いのに。
ずっとにのちゃんにくっついてて欲しい。




雨なんて大嫌いだけど。
今日ばかりは大雨に感謝だ。






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