好きって言わない!
第19章 デート。
だって、もっともっとまーくんを感じたい。
くっ付いてるだけじゃ満たされないんだよ。
ぼんやりとお土産物を眺めながら、そんな最低な事を考える。
もうキスしないって言ったのは俺の方なのに。
親友だったら、さっさとこんな無意味な恋は諦めてあげなきゃいけないのに。
A「可愛いね、それ。」
N「・・・え?」
A「イルカちゃんだ。」
俺がぼんやり眺めていたのは、イルカのキーホルダーだった。
シルバーのイルカに、小さな石が一緒についている。
石は宝石みたいにキラキラで、色のバリエーションがたくさんあった。
A「子供っぽくないし、結構良いかも。
これにしよっかな♪」
・・・彼女にお土産かな。
前一緒に来たばっかなのに、お土産なんて要らないんじゃないの。
なんて、俺って性格悪い。
A「何色が良いかな・・・」
石の色を真剣に選ぶまーくんに、また心がザラついたけど。
こんなことで心が乱されるようじゃダメだよ。
まーくんを好きでいるなら、この先ずっとこんな想いをするんだから。
N「女の子ならやっぱピンクが良いんじゃないの?
似合いそうじゃん、お前の彼女。」
淡いピンクと、ビビットなピンクの2種類があったけど、まーくんの彼女はビビットな方が似合うと思う。
活発なイメージだもん。
A「え?」
黄色の石がついたイルカを持って、まーくんがキョトンとしている。
N「・・・ああ、もう色決まってんのか。」
俺の意見なんか要らなかったよな。
クソ、余計な事言うんじゃなかった。
彼女へのお土産は自分で選ぶに決まってるじゃん・・・
A「これ、にのちゃんのだよ?」
N「・・・・・。」
え?今なんつった??
A「にのちゃんピンクのが良いの?」
ふるふると首を振る。
A「じゃあ、黄色♡
もちろんピンクも似合うけど、俺にのちゃんは黄色が似合うなってずっと思ってたんだよねー。」