好きって言わない!
第19章 デート。
N「・・・何で、俺に?」
A「だって、せっかく初めて2人で水族館来たし・・・
記念に何かほしいなって思って。
俺も一緒の買おっかな?!
オソロにしちゃう?笑」
くふふっと笑うまーくんは冗談のつもりなんだろうけど。
N「じゃあ、まーくんのは俺が買ってやる。」
A「え?」
オソロのキーホルダー、買っちゃうもんね。
色は・・・そうだなぁ。
綺麗なグリーンの石がついたイルカを手に取った。
A「俺のは、緑?」
N「うん、まーくんは緑。」
包み込むような優しさや、穏やかな笑顔、シュッとしたイケメンなとこも、緑のイメージにぴったりだ。
どうせなら、とお互いプレゼント包装をしてもらって店を出た。
高校生にもなって、プレゼント交換なんて笑える。
しかもオソロのキーホルダーだぞ?
可愛いイルカちゃんだぞ?
もう爆笑だよ。
バカみたいだな、俺ら。
A「楽しいね!」
ニッコリ笑うまーくんに、俺も笑い返した。
うん、すごい楽しい。
楽し過ぎて、泣きそうなくらいだよ。
帰りたくない。
そう思ってても、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
ちょうど雨もやんだ頃、水族館をあとにした。
電車の中で、今日見た魚の名前を2人で思い出しながら話した。
変な名前が多くて面白かったな。
誰がつけたんだろう。
あと、大きい魚はマジで怖かった。
あんなのが海にいるんだと思うと、もう泳げない。
海なんて行かないけど。
A「また行こうね。」
N「うん。」
A「動物園も行きたいな。」
N「遊園地は?」
A「それも行こう。」
楽しかったテンションのまま、適当に言ってるんだとしても嬉しい。
本当だったら、もっと嬉しい。