好きって言わない!
第20章 未満な2人。
まーくんの両手が、俺の頬を包んだ。
その手が冷たくてゾクリとする。
ほら、やっぱり体冷えちゃってるんだよ。
早く温まらないと・・・
A「・・・ごめん、にのちゃん。」
なにが、と言う前に唇を塞がれた。
優しく触れた唇の感触に、一気に体がまーくんを求める。
足りない。
もっと、もっとキスして。
まーくんの濡れたシャツを掴んで、自分から口を開いた。
A「にの・・・」
ごめんって言うのは俺の方だよ。
やっぱりまーくんを諦められない。
俺がキスをねだっているのは分かっているハズなのに、まーくんは唇を離してしまった。
N「・・・まーくん、」
A「このままじゃダメなんだよ・・・
ホントに、浮気だ・・・」
N「・・・・・。」
A「俺、にのにハマっちゃいそう・・・
可愛くて仕方ないんだ。
今日も何度もキスしたいって思ってた。
こんな気持ちで、一緒にお風呂入れないよ・・・
どうなるか分かんない。」
情けない顔になったまーくんが俺を抱きしめる。
A「ごめん、気持ち悪いよな・・・
彼女がいるのに・・・
俺、どうかしちゃってるんだ。
にのとのキスが忘れられない。
でも、ちゃんと前みたいに友達に戻るから・・・
だから、お願いだから俺を嫌わないで・・・」
ぎゅうっと力いっぱい抱きしめられて、苦しいけど幸せで胸が詰まる。
ずっとこうやって力強く抱きしめてほしかった。
まーくんの切ない声が耳元に響いて、体の熱が一瞬で高まる。
もう止められないと思った。
きっと、こういうのを興奮してるって言うんだ。
N「まーくん、」
声が震えそう・・・
まーくんが、俺をそっと離してまた切ない表情で見つめてくる。
その顔、やっばいよ・・・
キュンキュンしちゃう・・・