
好きって言わない!
第21章 不機嫌な2人。
M side
S「おい。」
風呂から上がったらしい櫻井の声。
でも返事なんかしねーし。
無視してやるって決めたんだからな!
S「おいコラ。
着替えが出てねぇじゃん!」
知るか。
S「風邪引いたらどうすんだコラ!」
は?!
服着てねぇの?!
思わず振り返ってしまって後悔した。
S「タオルは適当にそのへんの借りたけど。
パジャマ貸せ。あ、パンツも。」
タオルを腰に巻いただけの櫻井が、相変わらず偉そうに立っている。
意外と鍛えられている引き締った体に、一瞬だけ戸惑う。
M「お前っ・・・なんちゅー格好してんだ!!
着て来た制服を着ろ!!
そして帰れ!!」
S「泊まるっつってんだろうが!
何回言わすんだ!!」
M「はぁ?!」
もうヤダ何でこんな暴君なのコイツ!!
S「・・・ま、いっか。
俺家じゃ裸で寝る事も多いし。」
M「は?!」
S「お前がそこまで俺の裸体を見ていたいって言うなら、このままでいてやるよ。」
腰のタオルも取ろうとしたので、慌てて制止した。
んなモン見たくねー!!
M「・・・待ってろ!!
タオルは絶対取るんじゃねーぞ!!」
寝室のクロゼットから、スウェットとパンツを引っ掴んでリビングに走って戻る。
櫻井に投げつけて、思い切り睨んだ。
M「・・・着ろ。」
S「サンキュー♡」
満足そうに笑ってスウェットに袖を通しているのが腹立たしい!!
S「お前も風呂済ませて来いよ。
上がったらまた勉強するぞ。」
M「指図すんな!!」
言われんでも入るわ!
ココ俺ん家だからな?!
しかし、実際勉強をみてもらってる事実もある。
要領良く教えてくれるから1人でやるより成果が上がるのは確実だとも思う。
有難いけどムカつく!!
イライラを発散するかのように、勢い良くシャワーを浴びてガシガシと頭を洗った。
