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好きって言わない!

第21章 不機嫌な2人。





M side




M「・・・・・。」




風呂から上がってリビングに戻ると、櫻井はすでに勉強を始めていた。
学校の教科書じゃない。
自分で持ってきたテキストに向かう櫻井は、真剣な表情だった。




俺に合わせて勉強みてくれてたけど、自分の分もあるよな・・・




とりあえず声は掛けずにキッチンへ向かった。
喉渇いたし、アイスティー淹れよ。




お湯を沸かしながらふと思う。




賭けをしてるのに、何で俺の成績を上げる手伝いをするんだろう。
俺が勝てば、二度と家に来ないと言った。
俺に関わらない、と。



・・・まぁ、あいつにとったら勝っても負けてもどっちでも良いんだろう。
今は俺をからかうのを楽しんでいるのかもしれないけど、別に俺と関わらなくなったってどうってこと無い。



それよりも、俺の成績を上げて教師からの評価を得る方が得に決まってる。
そもそも、俺にやる気を出させるために、あんなふざけた賭けを持ち出したのかもしれない。



そして、俺が無事に全教科平均点以上を取れば、教師達からはさらに信頼され、俺との縁も切れて万々歳ってわけか。



よく出来たシナリオだ。




M「・・・・・。」




別に、それで良いよ。
あいつの事なんて嫌いだし。
あいつだって俺の事嫌いだし。



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