
好きって言わない!
第21章 不機嫌な2人。
M side
S「おい!!」
M「ハッ・・・!!」
櫻井の怒った声で慌てて体を起こす。
ヤバイ、ウトウトしてた・・・?!
解きかけの問題集は、半分も済んでいない。
怖い顔をしている櫻井に思わず後ろ手をついて逃げる。
S「お前なぁ・・・
お茶淹れてたんなら言えよ!!」
M「・・・は?」
S「アイスティーは淹れたてが美味いのに!!
完全に氷溶けちゃってるじゃねぇか!!」
怒ってるのそこ?!
居眠りじゃなくて?!
S「もう〜・・・
黙って置いとくとか意地悪かお前は!!」
M「意地悪って・・・
紅茶くらいでそこまで言うか?!」
S「あ、でも美味い。」
美味いのかよ!!
もう・・・何なのこいつ・・・
S「でも、このアイスティーはもっと美味かったハズだ。
お前が声を掛けてさえいれば、1番ベストな状態で飲めたハズなんだぞ?!」
口を尖らせて、まるで子供のように拗ねる櫻井。
M「・・・ふふっ。」
S「何笑ってんだ。」
だって・・・
おかしいだろ。
淹れたての紅茶を飲めなくて拗ねる男なんて、聞いた事ねぇよ。
しかも、普段澄ましてるコイツが。
声、掛ければ良かったな。
S「ところで。」
水滴だらけになっているアイスティーを飲みながら、櫻井が俺の手元に目をやる。
ヤバ、終わってないのバレる。
