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好きって言わない!

第21章 不機嫌な2人。





M side




その近い距離で、俺に顔を向ける。
櫻井の整った眉が、くっきり二重の大きな瞳が。
ぽってりとした赤い唇が・・・




M「・・・っ、」




S「・・・しょうがねぇな。」




ノートに視線を戻した櫻井が、サラサラと問題を解いていく。




正直、もう何も頭に入ってこない。
俺の意識はすぐ隣にいる櫻井にしか向いていなかった。




反応の無い俺をチラリと見ると、呆れた顔をしてシャーペンを置く。




S「・・・やっぱりお前は単純だな。」




軽く舌打ちをした櫻井が俺を突き飛ばす。
床に倒れた俺に跨って、見下ろされた。




M「何してんだ・・・どけ。」




震える声じゃ何の凄みもない。
強がってるのは絶対にバレている・・・
案の定、ニヤリと笑った櫻井がユックリと体を折って顔を近付けてきた。




S「お前さぁ・・・
俺の事好きなんだろ。」




M「・・・・・ふざけんな。」




嫌いだ。




S「お前の為にちょっと言い直してやる。
俺のキスが、好きなんだろ?
あ、顔もかな・・・?」




M「・・・・・。」




何でこんな責められてる気分にならなきゃなんねぇの。
キスしてくるのはお前じゃん。
触れてくるのは、お前の方じゃねぇか!



涙目で睨む俺を鼻で笑って、櫻井が首元に顔を埋めた。
首筋を櫻井の唇が滑っていく。




M「・・・っ、」




柔らかい唇の感触にゾクリとした。
今度はピチャ、という音と共にねっとりと暖かい感触。




M「やめっ・・・、」




舐められている。
そのいやらしい舌の動きに、ビクビクと体を揺らしてしまった。






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