好きって言わない!
第4章 始まる。
A side
終業のチャイムが鳴ると同時に騒がしくなる教室。
「相葉!もう帰んの?」
A「うん!今日部活休みなんだ!」
「デートかよ?」
A「うひゃひゃ♪ 彼女が出来たら報告するよ!」
彼女、出来たらいいなぁ。
好きな子の顔を思い浮かべて、思わずニヤけてしまう。
クラスメイトに適当に挨拶をしながら取り出したスマホ。
にのちゃん、まだ教室かな?
一緒に帰ろうって誘うつもりだったんだけど。
A「ん?」
廊下を歩く人だかり。
その中に、にのちゃんが居た。
ニコリともせずに、仏頂面で端を歩いている。
まわりはクラスメイトだろうか。
輪の中心にいる整った顔の男が、にのちゃんの腕を引っ張った。
A「にの!!」
瞬間、叫ぶように名前を呼んでいた。
だって、何かにのちゃん嫌がってるみたいだったし・・・
でも、ちょっと声大きかったかな・・・?
びっくりした顔で皆が俺を見るもんだから、恥ずかしくなってにのちゃんに駆け寄った。
N「まーくん!!何でここに?!」
にのが目を丸くして驚く。
確かに、1組の俺が6組の近くにいる事は珍しい。
A「今日部活休みなんだ。
一緒に帰ろうと思ったんだけど・・・友達??」
にのの腕を掴んでいる男を横目で見る。