
好きって言わない!
第4章 始まる。
ああもう最悪。
S「さすが相葉くん分かってくれるわー!!」
A「俺たち超気が合うね!!」
うるせぇ・・・
両隣からポンポン飛び交う会話にウンザリだ。
何で俺この2人の真ん中に座ってるんだろう。
駅近くのファミレスにやってきた俺たちは、初めこそ親睦会の名に相応しく自己紹介なんかをして無難な会話をしていた。
俺は殆ど無言だったけど。
入学して1ヶ月も経っていないというのに、まーくんの知名度は凄いらしい。
女子がひっきりなしにまーくんに喋りかけてくる。
そりゃ、背が高くてこれだけ整った顔をしていれば目立つだろうな。
バスケ部期待の新人だし。
一方で、櫻井にも女子からのアプローチが凄い。
2人とも愛想が良いもんだから、ニッコリと笑う度に女子から黄色い声があがった。
そこまではまだ良い。
イケメン2人に挟まれた、地味な男子の俺が居心地悪い思いをするのは全然良い。
しかし。
S「翔で良いよ、俺も雅紀って呼ぶ。」
A「くふふ、じゃあ翔ちゃん!」
何でこいつらこんな仲良くなってんの?!
俺がいるから大丈夫だよ、なんて言っておいて・・・
櫻井とばっか喋って俺ほったらかしじゃん!!
カルピスをストローでぐるぐるかき混ぜながら、ため息を吐く。
A「にのちゃん?疲れた?」
N「・・・別に。」
A「ポテト食べる?」
N「いらない。」
A「美味しいのにー。」
パクリとポテトを口に放り込んだまーくんをジトッと見つめる。
ねぇ、もう帰ろうよ。
