好きって言わない!
第27章 ラブストーリーは突然に。
S「雅紀、なんか元気無いか?」
N「・・・剣向けるなんてバカじゃねぇの。
こんな狭いとこで、怪我でもしたらどうするんだよ!」
S「型紙の剣だぞ!怪我なんかするか!
俺の王子パフォーマンス、完璧だったろうが。」
N「・・・カッコ良くない!」
S「なんだと?!こんなに王子なのに?!」
N「ふんっ!」
王子様はまーくんだけだもん。
俺のものじゃないけど。
S「・・・お前も、元気無い。」
N「そんな事ない。」
S「バカップルのお前らが面白かったのになぁ・・・。」
N「誰がバカップルだ!」
S「・・・まぁ、良いよ。
コンテスト楽しみにしとけよ?」
N「・・・お前は楽しそうで羨ましいよ。」
S「せっかくの学祭、楽しまないと損だぞ?
じゃあな、舞台の袖には遅れないように。
化粧はしなくて良いが、涙は止めて来い。」
再びマントを翻し、さっそうと去って行く翔を呆れながら見送る。
まわりの女子へ王子スマイルも忘れない。
マジでノリノリだな・・・
さすが生徒会長を狙うだけはある。
熱い奴。
N「はぁ・・・・・・。」
まーくん、
戸惑ってたな・・・
そりゃそうだよ、いきなり泣いてコンテスト出たくないなんてワガママ言うなんて。
普通にしなきゃ。
自分でやるって決めたんだし。
皆が頑張って衣装作ってくれたんだし。
鏡の前でニッコリ笑ってみた。
こうなりゃ優勝狙ってやる。
翔の人気がありゃ大丈夫だろ。
女子に借りたグロスをぐいっと塗って、唇もぷるぷる。
よし、可愛い。
気合いが萎んでしまわないウチに、会場に向かっちゃおう。
勢い良くカーテンを開けると、クラスメイト達にニッコリお姫様スマイル。
可愛い〜っ♡
と騒がれる中、翔の真似をして手を振って応えた。