
好きって言わない!
第27章 ラブストーリーは突然に。
S side
舞台袖、俺のお姫様の機嫌はまだ直っていないらしい。
S「おい、笑え。」
N「面白くもないのに笑えないし。」
ツンとした態度のニノがそっぽを向いた。
しかし、顔を向けた先に雅紀と潤を見つけて、慌てて俺に向き直る。
S「・・・・・。」
何かあったことは確かだな。
いつも所構わずイチャついてたくせに、最近ぎこちないったらない。
俺からしたら、お互い好きでたまんないって態度にしか見えねぇんだけど・・・
何意地はってんだかねー。
しかし・・・
雅紀と潤の方にチラリと目を向ける。
あいつ、化けたな・・・
それなりに美しくなるだろうとは思っていたが。
腕を組んで不機嫌そうな潤。
長い黒髪と赤く塗った唇がセクシーだ。
それに、あの衣装。
ジャスミンてのはあんなに露出度の高いドレスだったのか。
潤の色っぽい腰があらわになっている。
まわりの男がチラチラと盗み見ているのが腹が立つな・・・
おれは俺のもんなのに。
雅紀にピッタリと凭れるように立っている潤にも苛つく。
さっき教室でも雅紀に触られていた。
爽やかな顔してるけどエロい奴なんだから気を付けろっての。
あいつ、警戒心は強いのに気を許した相手には無防備になるのかもしれない。
なかなかやっかいなタイプだな・・・
はじめは怖がって誰も近付かなかったのに、最近はクラスの奴と雑談してる姿もたまに見かける。
潤の可愛さは、なるべくまわりに気付かれたくないんだが。
