好きって言わない!
第4章 始まる。
玄関を入ると、一直線にまーくんの部屋へ行く。
疲れたー、なんて言いながらカバンを放り投げ、2人でベッドに仰向けに倒れた。
まーくんのニオイがいっぱいのこの部屋は、落ち着く・・・
それなのに。
A「・・・疲れた?大丈夫?」
まーくんが俺の方を向いて、心配そうに顔を覗く。
こんな近い距離は慣れてるはずなのに・・・
戸惑ってしまうのはなぜなんだ。
・・・また、胸が苦しい。
黙ったままの俺に、ますます心配そうな顔になるまーくん。
A「ああいう賑やかな場はニガテだもんな。」
確かにニガテだし、疲れたと思ってる。
だけど、何かが違う・・・
皆がまーくんに注目するのがイヤだった。
ジッと見つめると、まーくんも俺を真っ直ぐに見る。
ふと唇に視線を落としてしまって、慌てて俯いた。
キス・・・って、
皆どういう時にするのかな。
N「・・・熱い。」
A「え?」
N「なんか、体が熱い・・・」
A「また調子悪くなった?!
大丈夫?!」
まーくんはベッドから飛び起きて、窓を開けた。
涼しい風が部屋を通る。
ああ、まーくんのニオイが薄れちゃうじゃん・・・