好きって言わない!
第4章 始まる。
A「着替えた方が楽だろ?
今冷たい飲み物持ってくるから、着替えときな!」
イスに掛けてあった部屋着を俺に放ると、
バタバタと階段を駆け下りる。
慌ただしい足音を聞きながら、まーくんのニオイがする部屋着をぎゅっと抱きしめた。
何なんだよ、この胸の痛みは・・・
ノロノロと制服を脱いで、まーくんの部屋着に袖を通す。
体が火照ったみたいにポカポカするよぉ・・・
なんだか泣きたくなってきた。
また、ドタバタとした足音が聞こえてきて、部屋のドアが勢い良く開いた。
A「あ、着替えちゃったか!」
N「・・・何で裸なのお前。」
パンツ一丁で現れたまーくん。
グラスをふたつ乗せたお盆と、スウェットを抱えている。
A「下で脱いできた。
さっき渡した部屋着、今朝俺が脱いだやつだったからさ・・・
新しいの持ってきたの。」
はい、と渡されたスウェットは柔軟剤の良い香りがした。
N「・・・別に良い。」
A「え?」
N「着替え直すの面倒だし。
これで良い。」
A「マジで?くさくない?大丈夫?」
N「ギリギリ大丈夫。」
A「ギリギリってオイ!!」
笑いながら机にお盆を置いて、着替え始めたまーくんをジッと見る。
昔はよく一緒にお風呂に入っていたけど、最近は別々だ。
・・・久しぶりにまーくんの体を見たな。
A「なに?」
N「へ?」
A「男の着替えなんか見つめても楽しくないだろ。笑」
N「ばっ・・・見つめてねぇよ!」
くるっと後ろを向こうと足を出した瞬間、すそを踏んづけてしまった。
そうだ、まーくんは俺より足が長いんだ。