
好きって言わない!
第27章 ラブストーリーは突然に。
目の前で、優しく微笑んでいる俺の王子様。
くるっとまわるとふんわり揺れるドレスが、なんだか擽ったい。
まーくん、ダンスなんて出来たの?
しっかりエスコートされて、俺の心は浮かれっぱなしだ。
信じられない・・・
まーくんと一緒に踊ってるなんて。
ステップを間違わないように、ドキドキしながら踊る。
そんな俺を見つめるまーくんが、楽しそうに笑った。
N「・・・あんまジッと見ないでよ。」
A「くふふ、ゴメン・・・
だって可愛いから。」
N「・・・ホント?」
ふふ、と笑ったまーくんが俺を抱きしめる。
きゃああっと歓声が上がって驚いた。
N「ま、まーくん、皆見てる・・・」
A「にのの王子様は、俺だよ。」
N「え?」
ユックリと近付いてきたまーくんの顔。
N「っ・・・、」
ポンと俺の肩に顔を埋めた。
ビ、ビックリした・・・
キスされるのかと思った。
A「・・・ゴメン、何でもない。」
N「・・・・・。」
情けない顔で笑ったまーくんが、また俺の手を取って踊りだす。
まーくん、最近ヘンだよ。
何を考えてるの?
何に悩んでるの?
俺に触れるのを躊躇うようになったのは、何で?
俺をキモチ良くしてくれる時も、どこか制御してる感じ。
心がどっか行っちゃってるのが丸わかりなんだよ。
男の俺の体に飽きた?
もうウンザリしてる?
N「まーくん、」
A「ん?」
そんな愛おしそうな目で俺を見るくせに。
わけわかんない。
ガキの頃からずっと一緒で、まーくんの事はなんだって分かってると思ってた。
でも、今は何も分かんないよ。
