好きって言わない!
第1章 イケメン幼馴染 まーくん。
空を見上げながら歩くまーくんを、何かに躓いて転ぶんじゃないかと少し心配になる。
ジッと見ていたら、俺の視線に気付いたのかまーくんがコッチを見てニッと笑った。
A「お腹空いてきた。早く帰ろ!!」
N「へ・・・うわぁっ!」
今度は俺の手を握って、走り出したまーくん。
高校生にもなって手を繋いで走るなんて恥ずかしいだろ!
てか・・・もう無理・・・!!
脇腹いてーっ!!
N「も・・・ヤダ!止まれよーっ!」
A「あはははっ!もうちょっとじゃん!
頑張れにのちゃん♪」
家に着く頃には2人とも汗だくで、俺に至っては目眩でふらふらだった。
あとで何かしら仕返ししてやる・・・
睨み付けた俺の頭を、かわいいかわいいと撫でるまーくんの手。
思い切りはたき落とすと、おかしそうに大笑いする。
なんだかなぁ・・・
ムカつく事ばっかされても、何か憎めないし許しちゃうんだよな。
さっきまで結構本気で腹立ってたんだけど。
まぁ、親友ってやつなのかな。
N「・・・うわ、気持ちわるっ。」
小っ恥ずかしい事を考えてしまって自分で引く。
A「ん?なに?」
N「・・・なんでもねぇよ。」
俺にジュースを手渡しながら、牛乳をパックから一気飲みするまーくん。
俺だったら腹壊すな。
細身だけど筋肉質で引き締まったまーくんの体。
大食いだし、バスケ部だし、これからまだまだ身長伸びるんだろうな。
いつも見下ろされてムカつくし、俺も毎日牛乳飲もうかなぁ、なんて。
またらしくない事を考えていた。