好きって言わない!
第4章 始まる。
N「っ!!」
転ぶ衝撃に備えギュッと目を瞑ったけど、ぐっと腕を掴まれてまーくんの胸に引き寄せられる。
A「・・・っぶね!最近良く転ぶなぁ。」
N「・・・ゴメン。」
A「あれ、にのちゃんが謝るなんて珍しい。笑」
まーくんの胸に、俺の頬がピッタリとくっついている。
は、裸・・・!!
いや、ズボン履いてるし裸では無いけど!
でもでも上半身はまだ何も着ていない。
目の前には、ち、乳首が・・・
だからなんだよ!!
そりゃまーくんにも乳首くらい付いてるだろう!
俺にも付いてるし!!
人間みんな付いてるし!!
A「にのちゃん?」
俺の頭のてっぺんからと、
ピッタリくっついた胸からも声が響いて聞こえて、ビックリした。
ぎゅってされてるとこんな風に声が聞こえるんだ。
てか、ぎゅって・・・
俺今まーくんにぎゅってされてるのか。
キスしちゃった時みたい・・・・
きゃーーーーーーーーーー!!!!!
A「にのちゃん?!大丈夫?!」
急激にバクバクと動き出した心臓。
体がボワっと熱を上げる。
半泣きの俺はまーくんに縋りながらズルズルとへたり込んでしまった。
N「まーくん・・・」
息が上がってうまく喋れない。
まーくんが俺の顔に触れて、眉を顰めた。
A「熱あるじゃん・・・とりあえず横になって!
体温計持ってくる!」
ぼーっとしてきた頭で、忙しなく動くまーくんの姿を追う。
A「うわ!38度越えてる・・・水飲める?
買い物せず帰ってきて正解だったな。」
熱・・・??
この胸の苦しさは、熱のせいなの?
よしよしと俺の頭を撫でるまーくんの手が気持ち良くて、差し出された水に口を付ける前に眠りに落ちてしまった。