好きって言わない!
第4章 始まる。
トクトクと心地良い音が聞こえる。
優しい温もりに包まれているような、不思議な感覚・・・
N「・・・・・。」
え?
目を開けると視界には何もうつらない。
いや、近すぎて良く分からなかったんだ。
まーくんが俺を抱きしめて眠っている。
もぞもぞと動いて、時計を見ると22:00を少しまわったところ。
随分眠ってしまってたんだな・・・
まーくんから清潔な石鹸の香りがする。
きゅ、と自ら身を寄せてくっ付いた。
まだまだ肌寒いこの時期、たまにはこうやって人肌に甘えるのも悪くない・・・
A「んん・・・にの・・・?」
薄っすらと目を開けて、胸の中にいる俺を覗く。
N「ゴメン。」
A「なにが?」
ふあ・・・と大あくびをして、俺の頭をポンポンと撫でる。
A「ポカリ飲める?
母さんがお粥作ってくれてるから、食べれそうなら持ってくるよ。」
そういえば喉がカラカラだ。
体を起こしたまーくんを追うように、俺も起き上がる。
ポカリを手渡してくれたまーくんが、少しホッとしたように笑った。
A「だいぶ顔色良いね・・・
いっぱい寝てチョットは楽になったかな。」
俺のおでこに手を当てて、そのまま頬を撫でられる。
その優しい手つきに、どう反応して良いのか分からず俯いた。
A「お粥持ってくるね。」
温かい手が俺から離れる。
待って・・・!!
N「まーくん!!」
A「ん?」
部屋の入り口で、電気をつけようとしていたまーくんを慌てて止める。
電気がついたら、バレてしまう。
俺が、甘えた顔をしているのが・・・
きっと、熱があるから。
ちょっと疲れてるから。
ほら、部屋も寒いし。
まだ、ぎゅってしてて欲しいんだよ・・・