好きって言わない!
第28章 ドキドキちょうちょ。
N「・・・・・そう、ですね。
俺のまわりイケメンばっかだから、肩身狭いですよ。」
「ふふふっ、二宮くんもイケメンよー?
あ、熱だいぶ下がってるわね。
1人で帰れそう??
荷物は相葉くんが持ってきてくれてるけど。」
N「はい、大丈夫です。」
俺は笑顔をキープできているだろうか。
保健室を出ると、俺はひたすら早足で歩いた。
バカバカバカバカあいばか。
俺を押し倒しておいて・・・!!
今度は彼女とイチャイチャでもしてんのかよ!!
N「大っ嫌いっ・・・!!」
になれたらいいのに。
N「・・・・・。」
別に、まーくんに振り回されてる訳じゃない。
俺が勝手に振り回されてるんだ。
俺が勝手に好きになっちゃったから。
N「そりゃ、好きになっちゃった俺が悪いけど・・・っ、」
まーくんもズルいよ。
俺を甘やかすんだもん。
俺を求めるんだもん。
勘違いしそうになっちゃうじゃん。
俺だって求めちゃうじゃん。
N「ひっく・・・」
情けない・・・
泣いてばっかりだよ、俺。
まーくんのせいだ。
・・・結局見つからなかったイルカ。
こんな鬱陶しい俺に嫌気がさして逃げちゃったのかもな。
ゴシゴシと涙を拭って、これ以上涙が零れないように空を見上げた。
ムカつくくらい綺麗な夕焼けだった。
まーくんの好きそうな空。
きっと、この夕焼けより綺麗な笑顔ではしゃぐんだろうな。
綺麗だよ、見て!!って。
にのちゃーんって甘えた声で呼ばれるのが好きだ。
たまに にのって呼ばれるのも好き。
N「・・・好きだよ、バカ。」
A「誰を?」
N「・・・・・。」
え?!
バッと振り返ると、まーくんが買い物袋を下げて立っていた。