好きって言わない!
第28章 ドキドキちょうちょ。
N「ビ、ビックリした・・・!!」
A「ビックリしたのはこっちだよ!
まだ学校にいると思ってたのに、保健室行ったら帰ったって言うんだもん。
おかげでアイスが死んだ。」
拗ねた顔で下げてた袋をプラプラ揺らすまーくん。
俺のために買ってきてくれたの?
N「でも、彼女と帰ったって・・・」
A「・・・駅まで送ってきたけど。
体調悪いにのちゃん放って帰るわけないじゃん。」
N「・・・・・。」
優しいよね、俺にも、彼女にも・・・
A「アイス、家帰ってまた凍らしたら食べれるか。
見た目悪くなっても文句言うなよー?」
アイスが入った袋を持ち替えて、俺の手を取ったまーくん。
そのまま手を繋いで歩き出す。
A「にの、空見て。超キレイ!!」
そのやり取り、もう俺の脳内で終わってるんだよ。
想像通りのキラキラの笑顔を俺に向けるまーくんに、痛いくらい胸がときめく。
A「・・・にのの好きな人が、俺だったら良いのになぁ。」
空を見上げながら、ポツリと呟いたまーくん。
N「・・・・・え?」
A「なんてね!
どうせにの教えてくんないんだろ?
恋の相談くらい乗ってやるのにさー。
何のための親友なんだっつーの!」
N「・・・なんだよ、それ。」
A「俺にのが好きだよ。
だから、にのに幸せになってほしいもん。」
簡単に言うなよ。
好きなんか、言うなよ。
N「俺が欲しい“好き”はそれじゃない!!」
繋いでいた手を思い切り振り払った。
弾みでよろけてしまってまーくんに慌てて支えられる。
A「にのっ、まだ熱あるんだから・・・!!」
N「熱なんてどうって事ない!!」
支えられたまま言ったって何の説得力も無いけど。
でも、ホントに体なんて別に平気だ。
心のが疲弊しきってるよ。
もう限界ギリギリなんだよ。