好きって言わない!
第28章 ドキドキちょうちょ。
N「好きになってから、心臓フル稼働なんだもん・・・
もうヘトヘトなんだよ。
俺弱ってんだよ・・・」
まーくんの胸にしがみ付くと、躊躇いがちに俺の背中にまわされる手。
A「・・・ホントに好きなんだね、その人の事。」
ああもう、ムカつく・・・
お前だよ!
俺が好きでたまんない奴は!!
N「好きだよ、大好きだよ。」
A「そっか・・・」
N「・・・一緒に居たら、すごく楽しくて嬉しくて。
でもドキドキしちゃって落ち着かないんだ。
昔はそんな事なかったのに・・・
好きって気付いてから、毎日ときめいちゃうんだよ。」
A「・・・うん。」
ぎこちなく俺を抱きしめていたまーくんが、そっと体を離そうとしたのでしがみ付いた。
そのまま聞いとけよ。
N「ホントに、すっごい好き・・・
一人占めしたいよ。
俺だけに笑ってほしいし、俺の事だけ考えてほしい。」
ずっと言えなかった言葉。
まーくんが俺が別の誰かに惚れてるって勘違いしてるのを良い事に、思いをぶちまける。
内緒の愛の告白だよ。
A「・・・にの、大丈夫だよ。
にのは可愛いしかっこいいし、すっごく優しい良い奴だもん。
きっとその人もにのを好きになるよ。」
N「・・・・・あっそう。」
じゃあなってよ。
俺を好きになってよ。
A「信じてないの?
もっと自信持って!!
にのの笑顔、超可愛いんだから!!
ほら、ニコって笑って?」
N「ムリ。」
A「即答かよ!笑
超可愛いのに・・・
てかいっそ告っちゃえば?!」
N「イヤ。」
A「何でだよっ。
にのみたいな子に告られて、断るやつなんか居ないと思うけど。」
どんだけ俺をかいかぶってんだ。
N「彼女いるもん。」
A「え?」
俺の背中を撫でていた手がピタッと止まる。
相手が男だって分かったんだろう。
気持ち悪いと思われるかな・・・