好きって言わない!
第28章 ドキドキちょうちょ。
A「別れたんだ。」
N「・・・・・・・・・・。」
は?
俺の両肩を掴んだまま、真っ直ぐに俺を見つめるまーくん。
少し、泣きそうな顔・・・。
N「別れたって・・・
なんで?付き合ったばっかじゃん!」
ラブラブだったんじゃないの?
あんなに浮かれてたじゃん!!
A「気付いちゃったから・・・
ホントに好きなのは誰なのか。」
俺の肩を掴む手に、ぐっと力が入る。
A「俺バカだから・・・
高校入ったら彼女作るんだって浮かれてた。
知ってるだろ?」
N「・・・うん、はしゃいでたな。」
A「運良くすぐ彼女できてさ、新しい友達もできて楽しかった。
高校生活超充実してるじゃん!って。
でも・・・」
N「・・・・・。」
A「彼女より、好きなコができちゃった。
でも好きになっちゃダメだって思ったんだ。
だって、相手は・・・親友だったから。」
どうしよう、泣きそう。
泣いちゃうよ俺・・・。
A「諦めなきゃダメだって思うのに、そのコすっごく可愛くてさ。
一緒にいたら我慢できなくて・・・
その・・・」
真っ赤な顔で気まずそうに目をそらすまーくん。
A「今も・・・我慢できなくなりそう・・・」
N「まーくん・・・」
A「ほらっ、そうやって甘えた声を出すだろ!
ズルいってそれ!!」
N「ねぇ、まーくんの好きな人って、」
A「・・・言わない。」
N「は?!」
ぷいっとそっぽを向くまーくん。
このヤロ、俺の真似してるな?!
N「バカ!そこまで言ったら一緒じゃん!
さっさと言えよ!!」
A「やだね。言わない!」
N「子どもかよ!」
A「子どもで良いし!」
N「・・・・・。」
A「・・・・・。」
N「・・・ホントに、別れたの?」
A「うん・・・謝り倒した。」