好きって言わない!
第29章 unsuitable。
M side
S「入れ。」
M「・・・。」
くそ、やっぱ何か機嫌悪い。
どうしよう。
俺悪くないし謝る気なんか全く無いけど、こんなあからさまに不機嫌になられたら・・・。
促されて足取り重く教室に入る。
あれ、なんだこの部屋・・・会議室??
ガチャリ、と鍵の掛かった音が聞こえた。
M「・・・ハッ!」
S「お前、1度犯された相手に無防備過ぎるんじゃないか?」
バッと振り返ると、この上なく意地悪な顔をして笑っている櫻井がいた。
全然機嫌悪そうじゃないし!
むしろ上機嫌!!
S「ああ、犯された訳じゃないか。
お前もノリノリだったもんな?」
M「はぁ?!」
S「なるほど・・・じゃあさっきのセリフも俺を誘うための演技か。
俺はまんまと引っかかってしまったんだな。」
M「ちょっと待て!!」
S「しょうもないセックスなんか言って挑発して・・・
そんな遠回しに誘われるのもたまになら良いけど、ストレートに言ってくれた方が俺は興奮する。
覚えとけ。」
M「ちょっとは俺の話聞けよ!!」
ん?と俺を見る櫻井は本気なんだかふざけてるんだか・・・
ペラペラと喋っていつの間にかこいつのペースに持っていかれる。
今日は流されるもんか!!
M「誰が遠回しにお前を誘うか!
こないだの・・・その、あれは罰ゲームだ!!
仕方なくヤッてやったんだよ!」
S「・・・・・。」
ジッと俺を見てる櫻井は、俺の話を聞いてるのか聞いてないのか。
とりあえず響いては無い。
ムカつく。
S「それで?」
M「え?」
S「仕方なくヤッて、なに?」
櫻井が俺との距離を詰める。
俺のニガテな、甘い香りにまた胸が騒がしくなった。