好きって言わない!
第29章 unsuitable。
M side
S「嫌々な素振りのわりに、お前は逃げない。
ほら・・・」
そっと俺の手を掴んで、ユックリと唇に持っていく。
M「っ、」
チュッ、と音を立ててキスをした櫻井は、男の顔をしていた。
真っ直ぐに俺を見つめる瞳に欲を覗かせる。
S「・・・まぁ、確かに前回のセックスは反省点がいくつかあった。
俺も男相手は初めてだったし緊張してたからな・・・。」
緊張?!
嘘だろ、そんな風に見えなかったぞ。
いや、ていうか今なんて・・・
M「・・・男相手すんの初めて?」
S「ん?当たり前だろ。」
M「嘘つくなよ。」
S「嘘じゃねぇ。」
M「いやいや、嘘だろ。」
S「あのな、俺は15歳の可愛い可愛い少年だぞ。
そんなマニアックなお付き合いなんかしてないっての。」
可愛いくも無いし少年感も全く無いだろ。
S「・・・なに。俺のテクニックが凄くて経験アリだと思ったか?」
M「違う。」
S「即答すんなよ。」
まぁ、正直慣れてる感があったし、
き・・・気持ち良かったけど。
ムカつくからぜってぇ言わない。
でも、そんな事よりも。
M「・・・ニノは?」
S「は?」
M「ニノにも手出してんだろ?」
S「・・・・・はぁ?!」
おお。
こんなに驚く櫻井は珍しい。
大きな瞳を見開いて、間抜けな顔だ。
S「なんでニノ?!」
M「あれ・・・違うのか?」
S「当たり前だろ!!
意味が分かんねぇ・・・何で俺とニノが!
てか男なんかに興味ねぇから!」
M「・・・じゃあ何で俺とセックスしたんだよ。」
S「・・・それもそうだな。
何でかな??」
知るかよ!!
俺に聞くな!!
うーん、と顎に手をやりながら首を捻る櫻井。
あ。指がキレイ・・・
S「・・・興味本位、かな。」
M「・・・・・。」
あっそう。