テキストサイズ

好きって言わない!

第29章 unsuitable。




M side





櫻井の肩にこてんと頭を預ける。
ふ、と櫻井が満足そうに笑ったのが分かった。
悔しい・・・




でも、俺の心が勝手に期待してるんだ。
こないだみたいに、こいつに優しくされたがってる。




セックスの時じゃないと優しくしてはくれないから。




S「・・・お前の香水、趣味じゃないな。
もっと潤に似合う香りがあるよ。
今度プレゼントしてやる。」




俺の髪にキスを降らせながら、耳元で囁かれる。
ヤバ・・・声だけで、胸が震える。
この香水は気に入ってるんだって、そう言いたいのに。




M「あっ・・・、」




S「ホント感度が良いなぁ。」




喋りながら耳にキスするな。
愛おしそうに髪を撫でるな。




S「ふふ、可愛いねお前・・・」




そんな嬉しそうに微笑むなよ。




S「興奮してきた・・・良いよな?」




M「・・・・・。」




俺の腰を撫でていた櫻井の手が、お尻に触れる。
どう答えようと、俺を犯すつもりのくせに。




M「・・・キスしろ。」




S「え?」




こんなロクでもない男に惚れた可哀想な俺。
優しくされたいがためにセックスする可哀想な俺。




全く、惨めだよ。




せめて恋人みたいな甘いキスくらい貰って良いだろ。




S「ふはははっ!良いねぇ。
お前キス好きなんだ?
覚えとくよ。」




上機嫌で笑う櫻井が、俺の頬を撫でた。
ユックリと近付いてくる唇。
ああもう・・・
こんなにドキドキするキス知らない。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ