
好きって言わない!
第29章 unsuitable。
S side
S「ちょっと換気しようねー。
エッロイ匂いムンムンだからねー。」
窓を開けながらふざけた口調で言うと、ギロリと睨まれる。
S「拭いてやろうか。」
潤の腹もケツもベットリとセックスの跡が残っている。
こいつもいっぱい出たなー。
溜まってたのか?
隣に腰をおろして潤の体に手を伸ばすと。
M「ふざけんな、触ったら殺す。」
・・・可愛くねぇ。
ツーンとして俺に見向きもしない潤。
なかなか懐かないなぁ。
ティッシュで体を拭くとさっさと乱れた制服も整えてしまう。
うーん・・・
雰囲気重視の俺には物足りん。
気持ち良かった♡
とか、
またしようね♡
とか。
もうちょっとラブラブチュッチュ出来んもんかね。
S「なぁ・・・」
M「んだよ。」
ダルそうに応えるから腹が立つ。
S「あのさ、腰痛くねぇの?
受けって超腰痛いってネットに書いてあったんだけど。」
M「どんなサイト見てんだお前は。」
S「勉強だよ。」
呆れた顔をした潤が、顔色ひとつ変えずにスッと立ち上がる。
M「痛くねぇよ。
俺はそんな柔じゃないっての。
ナメてんじゃねーぞ。」
S「・・・あっそ。」
M「もう良いだろ。俺は帰る。」
まだ床に座ったままの俺を見下ろしながら、冷たく言い放つ。
・・・ホントつれない奴。
セックス中は縋るような瞳で俺を見てたくせに。
よし、無理やりキスしちゃる。
会議室から出て行こうとする潤の腕をグッと引っ張った。
M「うわっ・・・!」
思ってたより簡単にバランスを崩した潤。
すっ転びそうになったので慌てて抱きとめた。
つもりだったんだけど。
ゴン!という音が室内に響く。
後ろ手を取られて仰向けに倒れた潤は思い切り床に頭を打ち付けた。
助けようとした俺は一歩間に合わず・・・
潤に覆い被さるように一緒に倒れこんでしまった。
