
好きって言わない!
第29章 unsuitable。
S「ふぁ・・・っ、」
パタンっと音を立てて小説を閉じた翔が、不機嫌そうにアクビをした。
S「ラストがいまいちだった・・・
読後感が良くない。」
小説をポイ、とテーブルに置くと紅茶を一口飲む。
S「睡眠不足の中読んだというのに・・・
全く期待外れだったよ。
ニノ、読むか?」
N「そこまでボロクソに言われた小説読みたくねぇよ。」
S「テーマは悪くないんだけどなぁ・・・」
目を擦りながらまたアクビをする。
本当に寝不足らしい。
N「昨日、彼女と夜遊びでもしてたのか?」
S「いや、家にあげてもらえなくてね・・・」
N「は?!」
家にあげてもらえない?!
どういう事だ。
よほど変な表情をしていたのか、俺の顔を見て吹き出す翔。
S「ふふっ、最近気に入ってる奴がさ、全然思うように懐かないんだ。」
N「気に入ってる奴・・・」
彼女ではないのか。
こいつ、ホントに節操がないんだな。
N「簡単に家にあげないなんて、身持ちがカタイ良い娘じゃん。」
S「いや、もうセックスはしたけど。」
N「・・・・・あ、そう。」
S「かなりヨカッタよ。」
N「ソウデスカ。」
やっぱ手が早いなー。
いかにも優等生な爽やかな顔してんのに、相変わらずエグい性格だ。
でも、まーくんも爽やかスポーツマンだけどエッチだし・・・
男の子って皆そうなのかも??
俺もまーくんと一緒にいたらエッチな気分になっちゃうし・・・
