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好きって言わない!

第30章 台風ジェネレーション。





脱衣所に戻って、思わず頭を抱えた。
まーくんの持ってたエッチな雑誌には、すごく気持ちイイって書いてたのに・・・
恋人の愛情を感じられるって書いてたのに・・・




マジでなんなの?!
どう見ても嫌がる松本を無理やりシてたよね?!




訳分かんなくなってきた・・・
もう部屋に戻ろう。
良い加減まーくんも心配してるかもしれないし・・・



そっと出口に体を翻したその時、ガラッとドアの開く音が聞こえてきて、とっさに身を隠す。




S「あっちー。」




サッパリした顔の翔がパタパタとタオルで扇ぎながら歩いてきた。




S「・・・。」




雑に体を拭いて、浴衣に袖を通す。
あれ?なんか不機嫌そう・・・
松本はどうしたんだろう。




あんな風にムチャクチャにして、放置してきたのか?!
恋人なんじゃないの?!




翔が出ていったのを確認して、そっと温泉を覗く。



松本になんて声をかけたら良いのか分からないけど・・・
放っておけないよな・・・??




浴衣の裾が濡れないように両手で持ちながら、恐る恐る足を進める。
あまりに静かだから、まさか死んでないよなと不安になったりして・・・




静かな浴場に、ちゃぷ・・・と水音が鳴った。








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