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好きって言わない!

第30章 台風ジェネレーション。




M side





ちょっとした意地というか見栄というか・・・



とにかく、あいつを怒らせるつもりじゃなかった。










食事を終えて、自分たちの部屋に戻った相葉とニノ。
騒がしい2人がいなくなって、急に静かになった部屋になんとなく居心地の悪さを感じていた俺は、食後のお茶を用意していた。




M「・・・・・。」




寛ぎモードでスマホをいじっている櫻井。
少しだけ、ふっと笑った。




M「・・・彼女か?」




S「ん?」




聞いてすぐ後悔した。
静かな空気に耐えられずなにか喋ろうとは思ったけど、なんで彼女の事なんか・・・
んなもん聞きたくねぇ。




S「・・・気になる??」




M「は?」




ニヤリと笑いながら、俺の入れた緑茶の湯呑みをすっと取って一口飲む。




S「内緒だよ。」




フフ、とご機嫌そうに笑う顔がやたら男前で腹が立った。
緑茶を啜りながらスマホ画面に目を落とす横顔も、綺麗で腹が立つ。




雑に着こなした浴衣からはだける胸元も。
洗いざらしで整えていないサラサラの髪も。
飲み慣れないこの緑色のお茶にすら腹が立ってきた。




M「興味ねぇよ。」




S「フフ、そうか。」




ちゃんと興味の無い素振りができているか、最近不安だけど。
櫻井はそんな俺を気にもとめず緑茶を啜っている。




その時、俺のスマホが鳴った。
ん・・・??ニノ??




“ 腕時計、忘れてない??”




キョロキョロと見渡してみるが、見当たらない。
そもそも、晩ご飯の時にニノは腕時計なんてつけていなかったと思うけどな。



ココには無いと返信して、俺も緑茶を啜った。




S「・・・・・。」




M「・・・なんだよ。」






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