好きって言わない!
第6章 失恋。
ああ、まーくんと居ると落ち着くな。
何で今迄好きだって気付かなかったんだろう。
もしかしたら、まーくんだって俺の事・・・
急に熱くなった頬を誤魔化すようにアイスを口に運んでいると、先に食べ終えたまーくんが俺に真っ直ぐに向き合った。
A「にのちゃん、すげー良い報告♡」
嬉しそうに笑ってるまーくんに、俺も笑顔になる。
N「なに?」
A「えっとねー・・・
彼女が出来ました♡」
N「・・・・・・・・え?」
言っちゃったー、と両手で顔を覆って恥ずかしがっているまーくん。
俺は思考回路がショートしてしまったみたいに動けなくなった。
彼女・・・・・?
N「・・・・・・・・。」
あ、そっか・・・
そうだよ・・・
まーくん好きな子いたじゃん。
A「にのちゃん?」
N「・・・・・・・・、」
口を動かすのってこんな難しかったか?
何か言わなきゃって思うのに、口を開けない。
目の奥が熱くなってきて焦る。
絶対泣いたらダメだろ。
こんなに嬉しそうに笑ってるまーくんの前で、泣けるかよ。
N「・・・スゴイじゃん、」
なんとか絞り出した言葉。
たった一言だけなのに、胸が抉られる程痛い。
A「くふふ♡俺の青春の始まりだー!」
俺、今ちゃんと笑えてるのかな。
なんか目の前が滲んで見えてきて、焦ってティッシュを取って鼻をかむふりをした。
まーくんにバレないように、涙を拭う。
どうしよう。
涙、止まんない・・・
その時、1階から物音が聞こえた。
母さんが帰ってきたんだ。