好きって言わない!
第6章 失恋。
A「あっ、おばさんの分もアイス買ってきてんだよ!
渡してくるねー!!」
笑顔で部屋を出て行ったまーくんの後ろ姿を見送って、ホッとする。
バレなかった・・・
N「ふ・・・ぅっ、」
途端に溢れ出した涙はもう止まらなくて、頭から布団を被って隠れた。
バカじゃん、俺。
まーくんも俺の事好きかも、なんて。
そんな訳ないだろ。
良く考えてみれば分かるのに・・・
俺もまーくんも男じゃん。
いくら恋愛方面に疎かったとはいえ、なんの疑問も持たずにまーくんが好きなんだと納得してしまった自分が腹立たしい。
今まで自分はわりと優秀だと思っていたのに・・・
とんでもないバカだったみたいだ。
N「なんでっ・・・
好きになっちゃったんだ・・・、」
知りたくなかった。
気付きたくなかったよ。
A「・・・にのちゃん?!大丈夫?!」
戻ってきたまーくんが心配して布団の上から俺を撫でる。
ごめん、体調が悪いわけじゃないんだ。
すげー元気だよ。
でも・・・
N「何か頭痛くなっちゃって・・・
もう寝る。」
まーくんに初めて嘘をついた。
本気で俺を心配してくれているのに申し訳ないと思いつつ、涙で濡れた顔を見られたくなくて一度も顔を上げないまま まーくんとバイバイした。
本当はもっと一緒に居たかったけど・・・