
好きって言わない!
第30章 台風ジェネレーション。
M side
じっとりとした視線を寄越す櫻井を軽く睨む。
S「誰?」
M「は?」
S「・・・男?女?」
M「関係ねぇだろ。」
S「は?言えよ。」
M「何でだよ。」
ニノが相手だという事を隠す必要なんか無いけど。
でも何かムカつくから言わない。
S「・・・お前さ、俺以外にもいんの?」
M「・・・・・はぁ?」
S「彼女とか・・・なんか、遊んでるやつとか。」
M「・・・・・。」
何言ってんだこいつ。
俺はお前みたいにチャラくねーんだよ。
いるわけないと言おうとして、ふと思い付いた。
彼女もいなければ遊びに誘うようなコもいない。
ちょっとダセぇかも。
M「・・・いる。」
S「え?!」
M「俺だって適当な遊び相手くらいいるっつーの。」
S「・・・・・。」
信じられない、という目で固まる櫻井。
なんだよ、俺にそんな相手がいるってそこまで驚く事か?!
俺だって、地元じゃ結構モテてたんだぞ!!
M「お前より俺の方がモテるからな!
相手なんかいくらでもいるんだよ!」
S「相手は女か?男か?」
M「はぁ?!」
男なわけねーだろ!!
・・・いや、お前とヤッてるけど!!
こいつ、俺をホモだと思ってんのか?!
俺はホモじゃない!
ただお前を好きになっただけで・・・!!
M「・・・。」
なんかもう、切ないっつーか、虚しいな。
こんな感情。
好きになった奴に、何でこんな虚しい嘘つかなきゃいけないんだ。
