
好きって言わない!
第30章 台風ジェネレーション。
S side
N「おやすみー。」
ぽふっと口元まで布団をかぶったニノが、雅紀の方を向いて目を閉じる。
やっぱあいつら付き合ってるよなぁ・・・
雅紀の奴、ニノが可愛くて仕方ないって態度だし。
あーあ・・・
こりゃ気の毒だ。
恋人が目の前で寝てるのに手を出せないってツライよなぁ。
完全に欲求不満の顔してる。笑
S「・・・・・。」
まぁ、それはコッチも同じか?
出来ればもう1回セックスに持ち込もうと思ってたのに・・・
静かに目を閉じている潤の顔をジッと見つめる。
今キスしたら怒るだろうなぁ・・・
ふと雅紀を見ると、ギュッと目を瞑っていた。
たぶん無理やり寝ようと頑張ってるんだろう。
可愛い奴だな。
ていうか、やっぱり優しい奴だ。
俺は、やっぱりそんな優しい男ではないみたいで・・・
大人しくしてるなんて、無理だね。
布団の中で、そっと潤の体に触れる。
ピクっと少し反応したけど、目は瞑ったまま。
やっぱこいつの体好きだなぁ。
ずっと撫でていたくなる。
ウエスト周辺を撫でていた手を、少しずらしてヘソや恥骨へ滑らせると、パッと目を開けた潤。
俺の方を向いて、ぷるぷると首を振る。
S「・・・・・。」
口をむにっと噤んで、これ以上はダメだと目で訴える。
声が出せないから、こうやって俺をジッと見て必死に訴えるしかないんだろうっていうのは分かってるんだけど・・・
こんな潤を見るのは初めてだ。
基本あまり目を合わせてこないし、こんな風に焦ってるとこも見たことない。
ヤバ・・・
すげー可愛いかも。
コッチを向いたのは好都合だ。
グッと腰を引き寄せて、潤を胸に納める。
