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好きって言わない!

第30章 台風ジェネレーション。




S side




慌てた潤が腕を突っ張って顔を上げた。
またぷるぷると首を振るもんだからたまらない。
その仕草、マジで可愛いっつーの!!



てかそこまでビビんなよ。
さすがにこの状況でセックスまで要求しねぇって。



まぁでも、さっき無理やりシたから・・・
信用が無いのは仕方ない。



掛け布団を引っ張って、頭まですっぽりとかぶった。
これで、小声くらいならあいつらに聞こえないだろ。



M「・・・・・。」



怪訝な表情の潤に、そっと囁いた。



S「何もしないよ。」



M「・・・・・。」



何も答えない潤。
相変わらず俺の胸に手を突っ張って、警戒している。
狭い布団の中、間近で見る潤の顔はいつもより綺麗な気がした。



その大きな瞳に、惑わされない男なんていないんじゃないかな。



キスしたいけど、さっき何もしないって言ったし・・・
キスの代わりに耳元に唇を寄せた。



S「さっきはごめん。」



M「っ・・・、」



大きな瞳を見開いて、俺を見つめる。



S「あんな風に自分勝手にした事、後悔してる・・・
怒ってる??」



M「・・・・・。」



俺をマジマジと見つめたまま、動かない潤。
返事、くれないのか?



S「許して・・・」



だいぶ甘えた口調になってしまった。
これじゃご主人様じゃないな・・・
恋人のご機嫌取りをするダサい男だ。



まぁ・・・良いか。
俺を見つめるこいつは、とびきりの美人なんだもんな。
こんなレアな状況はそう無いだろうから、恋人っぽい雰囲気を楽しむのもアリじゃん?



S「潤・・・」



潤のうなじから髪を掬うように撫でる。
柔らかい髪が気持ちいい。
ユックリと、潤の唇に触れた。



何もしないって言ったけど・・・
だってさ、こんな近くにいて間が持たねぇよ。



潤は怒ると思った。
胸をグーパンチくらいはされるだろうなって。



だけど。



潤の体からふわっと力が抜ける。
突っ張っていた手も緩んで、俺の胸に添えられた。





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