好きって言わない!
第31章 selfish。
S side
S「随分呆れた顔してるけど、ニノこそどうなんだよ。
雅紀とイチャイチャしてんだろ?」
N「・・・まぁ、まーくん俺の事すっげぇ好きだからな。」
ツンとして膝にいるブーコを撫でるニノ。
顔赤いけど。
S「付き合う事になったって報告くらいあっても良いんじゃねーの?
話聞いてやってたのに。」
雅紀を好きになってメソメソ泣いてたのが懐かしい。
S「いつの間にやら彼女から奪い取ったわけだ。」
N「・・・まーくんが勝手に別れてきたの!
彼女より、俺を好きになっちゃったって。
世界で1番俺が好きだって。」
S「うわぁ・・・」
N「引いてんじゃねーよ。」
雅紀が言いそうなセリフだな。
まさにバカップル。
まぁ、お似合いなんじゃないか?
S「おめでとう。」
N「・・・サンキュー。」
恥ずかしさを誤魔化すためか、いつにも増してぶっきらぼうに答えるニノ。
N「・・・帰ろっかな。」
S「え?」
N「勉強の邪魔して悪かったな。
おいブーコ、どけ。」
また雅紀の事を色々相談されるのかと思ってたのに・・・
こんなにアッサリ帰るとは思わなかった。
スマホをポケットにしまいながらニノが立ち上がる。
じゃーな、と部屋のドアに手をかけて、チラリとこちらを見た。
N「・・・お前さ。」
S「なんだ?」
N「松本はやめといた方が良いんじゃないか?」
S「は?」