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好きって言わない!

第31章 selfish。




S side




通い慣れた、あいつのマンション。
もう目を瞑っていても部屋のナンバーを押せる。
と思う。




ピンポーン。




ドキドキドキドキ。




M『・・・マジで来たのか。』



S「ん?」



M『とりあえず入れ。』



ロックが解除されて、通話が切られる。
いつものやり取りではあるんだけど・・・



まぁ、そうだよな。
いつもこんな感じだ。



潤の奴、俺への気持ちを隠してあんな冷たい態度をしてるんだよな。
ふふ、可愛い奴だ。




部屋のインターホンは鳴らさず、施錠されていないドアを開ける。
これもいつもの事。



リビングに入れば、部屋着の潤がソファでスマホをいじっていた。



・・・全然出掛ける準備してねぇじゃん!!



M「俺ん家来るなら、ミーコ連れて来てくれたら良いのに。」



S「・・・・・。」



確かに。
ブーコのキャリーは俺の家に置いてある。



M「まぁ、お前猫嫌いだから無理か。」



確かに。
俺1人でブーコを連れて外出は普通に無理かも。




ふぁ・・・とアクビしながら立ち上がった潤が、キッチンへ向かう。



M「何突っ立ってんだよ。座れば?」



お湯を沸かし始めた潤を見て、お茶を淹れてくれるんだと分かって嬉しくなった。



旅行中は飲めなかったから、久しぶりな気がする。



ソファに座って、なんとなく部屋を眺めた。
なーんか落ち着くんだよなぁ、潤の部屋って・・・





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