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好きって言わない!

第31章 selfish。




S side




しばらくしてリビングに戻ってきた潤が俺の前にカップを置くと、自分のカップを持って斜め前に座った。
またアクビをしている。



S「寝不足か?」



M「・・・昨日、映画見始めたら止まんなくて。
ほとんど寝てない。」




潤はどんな映画が好きなんだろう。




M「これ飲んだらもうお前ん家向かおうぜ。」



S「買い物は?」



M「別に良い・・・日用品買いたかっただけだし。
たぶんお前来なかったらギリギリまで寝てた。」



え、そうなの?
てかさっさとブーコ迎えに行って早く寝たいとか思ってる感じ??



大好きな俺が目の前にいるんだぞ?!



S「あ、晩飯は??」



M「は?」



S「ウチで晩飯食ってかないか?
ブーコのメニューも用意させておく。」



M「おい、ちょっと待て。
ミーコ引き取ったらすぐ帰るぞ。」



S「え、なんで?」



M「なんでって・・・
用が無いから。
何でお前んとこで晩飯食って帰るんだよ。
自分ん家で食うから良い。」



S「じゃあ外に食いに行くか?」



M「行かねぇよ。
ミーコどうすんだ。」



S「・・・そうか。」



喜ぶと思ったのに・・・
だって、好きな相手から食事に誘われてるんだぞ??



おかしいな・・・



S「あ、今度映画行くか。」



ポンポンとソファをたたいて、隣に潤を呼びながらニッコリ笑う。
昨日見てたという映画の話でもしながら、次の休みに見る映画を決めよう。



旅行中みたいに、ニコッと笑う潤を見たい。



M「・・・お前、なんか変。
何企んでやがる。」



S「え?」



不信感いっぱいの目で俺を見る潤。
俺の隣にも来ない。
おかしい・・・
笑顔を見たいだけのに、なぜこんなに警戒されるんだ。






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