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好きって言わない!

第31章 selfish。




S side




S「別に何も企んでない。
普通の会話だろうが。」



M「・・・・・。」



紅茶を飲みながら、大きな瞳でじぃっと俺を見ている。
その顔も可愛いけど。



S「来いって。」



もう一度ソファをポンポンたたく。
潤に触りたい。
また潤からキスしてくんねぇかなぁ・・・



M「・・・着替えてくる。
さっさと出かけようぜ。」



S「え?!」



テーブルにカップを置くと、ぷいっと寝室の方へ行ってしまった。



S「・・・・・。」



俺は唖然とするしかなかった。
全く予想外の事ばかりだ・・・



食事にも映画にも喜ぶどころか不信感を持たれ、ここへ来てから一度もニコリともしない。



おいニノ・・・
潤が俺を好きだなんて嘘なんじゃねぇの?!




M「おい、行くぞ。」




パーカーにデニムという、ちょっとそこのコンビニまで、みたいなスタイルの潤が飲みかけの俺のカップをシンクに持っていってしまった。



レストランに食事に行ける格好じゃない。
わざとだろうか。
お前と食事なんか絶対しねぇよって事か?!



・・・腹が立つ。
せっかく誘ってやったのに。



勉強を切り上げて会いに来てやったというのに。



玄関へ向かう潤の腕を、力いっぱい掴んで引き寄せた。



M「いって・・・」



俺を睨む潤の唇を強引に奪う。
何もナシで帰れるかよ。



後頭部を掴んで何度も深く口付けた。
とくに抵抗もしないかわりに乗ってもこない潤にまた少し苛つきながら・・・



S「元々の約束は18時だろ。
まだ1時間ある。」



M「・・・・・。」



寝室のドアを開ければ、あからさまに嫌そうな顔をした潤。



M「俺、着替えたばっかなんだけど。」



潤の言葉を無視して、ベッドに押し倒す。



S「今日は優しくしてやるよ。」



M「・・・・・。」




正直、あまり機嫌は良くないけど・・・
ドロドロに甘ったるいセックスをしてやる。




お前は俺のもんなんだ。




そう耳元で囁けば、
潤がまた嫌そうな顔をしたから・・・



目を閉じて、ただひたすら潤の体を貪った。








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