好きって言わない!
第31章 selfish。
S「遅い。」
屋上でパンを齧りながら、翔が不機嫌に呟く。
N「俺らが早いんだよ。」
授業が終わるとすぐに俺の腕を掴んで屋上にとんできた翔。
そんなに腹が減っていたのかと思ったけど・・・
どうやらまーくんと松本を待っているらしい。
最近の翔は少し変な気がする。
いや、少しというか・・・
S「あ!!おい、遅いじゃねーか!!
俺はもうパンを食い終わるところだぞ!!」
A「えー!翔ちゃん早っ!!
そんなお腹空いてたの?!」
食いしん坊だねぇ、笑うまーくんが可愛い。
A「はい、にのちゃんも飲む??」
俺の隣に座りながら、飲みかけのパックジュースをくれた。
黙ってそれを受け取って飲む。
美味しい。
そんな俺を見てニコニコ笑うまーくんに超絶胸きゅん。
今日もカッコイイ・・・♡
A「ねぇ、翔ちゃん最近どうしたの??」
こそっと俺に耳打ちしてきたまーくん。
視線は翔と松本へ向けられている。
N「うーん。」
まーくんでさえそう思うなら、やっぱ変なんだ。
S「潤、こっち向け。」
M「・・・なんで。」
S「お前、また痩せたんじゃないか?
ちゃんと食ってんのか?」
M「触るな。」
S「何でだ。」
M「触るなっつーの!!」
S「減るもんじゃねぇだろ!!触らせろ!!」
翔の伸ばした手をペシペシと振り払う松本。
ウザそうにしてるけど、ちょっと嬉しそう。
翔にいたってはニヤニヤしちゃってるからな。
どう見たってイチャついてるカップルなんだけど。
彼女にちょっかいかけてるアホ彼氏の図なんだけど。