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好きって言わない!

第31章 selfish。





A side




A「ふぁ・・・っ、」




M「間抜けな顔してんなよ。」




A「寝不足なんだよ・・・」




半分寝ながらパンを食べる俺を、呆れた顔で松潤が見てる。
あ、松潤の肉巻きおにぎり美味しそう・・・



今日は教室で松潤とふたり飯。
にのちゃん、今ごろ委員会頑張ってるよなぁ。
お昼ちゃんと食べれてんのかな。




M「・・・なんかあんのか?」



A「ん?」



M「最近、おとなしいっつーか・・・
元気ねぇじゃん。」



A「・・・・・。」



M「気のせいかもしんねぇけど。」




ぶっきらぼうな言い方だけど・・・
もしかして。



A「心配してくれてんの?」



M「はぁっ?!心配とかじゃねぇよ!!」



A「ふふっ、ありがと!!」



M「・・・別に。何もねぇなら良いけど。」



照れ隠しなのか、一気に弁当を平らげた松潤がなんだか可愛い。



A「悩んでる訳じゃないんだけど・・・」



にのちゃんとの事、まだハッキリ話せてないから言えないんだよね。



A「もしかしたら、いつか話聞いてもらうかも。」



そのうちちゃんと話すよ。
面倒見が良くて優しい松潤には、きっといっぱい頼っちゃうんじゃないかな。



M「おう。」



何も聞いてこない松潤は、やっぱり優しい。



弁当をしまいながらスマホをチェックしていた松潤が、ピタッと止まる。



A「どしたの??」



M「・・・・・いや、別に。」



無言のままスマホ画面をじぃっと見つめている松潤。
なにやら考え事でもしているのか・・・



A「大丈夫?」



M「・・・ちょっと出てくるわ。」



A「え?」



ポケットにスマホを突っ込んで、スタスタと教室を出て行ってしまった松潤。
急にどうしたんだろ・・・??



何か悩み事を抱えてそうなのは、松潤も一緒なんじゃないかってたまに思うんだけど。



A「これが悩み多き青春ってやつなのかなー。」



なんてバカみたいな事を呟いて、机に突っ伏した。



わかってる。
ちゃんとにのちゃんと話しなきゃいけないって。
恋人だもん。



スマホに揺れるイルカを眺めながら、にのちゃんの好きなメロンパンを一気に口に詰め込んだ。







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